arata AX-79 2025年 (1月入荷予定)
arata AX-79 2025年 (1月入荷予定)
山岳ソロテントの新基準
軽量さとオールシーズン仕様に耐える強度を両立
「軽量さと耐風性」
相反する 要求の新次元での両立に挑戦
「4シーズン山岳地帯で使用できる耐風性能を持たせる」
「ソロで不自由なく過ごせる空間を備えつつ可能な限り軽量とする」
arataはこれらの相反する要求を既存のテントとは異なる新たな次元でバランスさせることに挑戦しました。
開発の再初期に素材の重量を計算し、直ぐに明らかになったのは強度よりも軽量さを重視したテントポールの採用が必須であること。山岳テントとしての強度を確保しながらより軽量なテントポールを採用する、それは簡単には答えが見つからない問いであることを予感させました。
エンジニアとしての経験を元に知恵を巡らせ、辿り着いた答えは独自のスリーブハブ構造とガイラインを駆使したトラス構造でした。スリーブハブは従来のテント達が二者択一で選択してきたスリーブ式と吊り下げ式、それぞれの方式の強度面の長所を併せ持つ画期的な構造です。さらにガイラインを用いたトラス構造と組み合わせ、天候に合わせてテントの強度を高めていけるようにしました。
AX-79の横幅は210cmとし、日本ブランドの一人用山岳テントとしては最大級の長さを確保。最大室内高は98cm。180cm以上の高身長の人でも不自由の無い高さです。奥行は80cmに抑えることで軽量に仕上げました。奥行を80cmにした時に懸念したのはバックパックの置き場。この問題に対してはユニークな後室空間を用意することで解決しました。後室空間には70L以上のバックパックも置くことが可能です。
これほどの性能と居住性を持ちながらも最小重量915gという軽さを達成。
1人用山岳テントとして最軽量クラスの重量を実現することができました。
(装備重量は1060g、ただし付属するグラウンドシートの重量74gは装備重量に含まれません)
製品にはテント本体やフライシート、
ペグやポールの他にグラウンドシートも付属します。
必要なものをすべて一つにパッケージとしました。
またAXシリーズをさらに強固に快適にするオプション品も揃えています。
AX-79はソロテント泊で登山を楽しめる新世代の日本の山岳テントです。
Technical Note
AX-79に盛り込んだ技術やこだわりをご紹介します
高性能テントポール「DAC Featherlite NFL 8.7」を採用
極端な機能の省略なくこの重量を実現するため、AX-79のポールには強度よりも軽量さを優先した「DAC Featherlite NFL 8.7」の採用が不可欠だった。
しかしながらこのポールをDAC社としては強風の吹き荒れる中で使用されるアルパインユースには推奨していない。 そのためこのポールを使用しつつアルパインテントとして成立させるにはブレイクスルーが必須だった。
下のグラフのX軸はポール40cmあたりの重量とY軸は断面二次モーメントでDAC社製テントポールの重量と強度の関係を表している。 (左上に行くほど軽くて強い、右下に行くほど重くて弱い)
AX-79が採用するDAC NFL 8.7(青四角)は、このサイズ感の山岳テントによく用いられるDAC Featherlite NSL 8.5(赤四角)と比較して約22%も軽量だが強度が約17%低下していることがわかる。
AXシリーズではテントの構造に下記の三つの革新的な機構を盛り込むことでポールの強度を補っている。
1. フルスリーブインナーテント x 独自のスリーブハブ
AXシリーズではインナーテントとポールの結合にスリーブを採用している。スリーブ式は近年のテントによく見られるフック式(吊り下げ式)と比べ、ポールにかかる負荷が分散されると共にポールの変形を抑制する構造である。
一方で既存のスリーブ式のテントは2本のスリーブがつながっておらず、2本のポールが効果的に支え合う構造にはなっていない。 その点フック式は2本のポールの中央がスイベルにより結合しており2本のポールが互いに支え合う構造になっている。
arataはスリーブ式、フック式、それぞれの長所を両取りするために独自のスリーブハブを生み出した。上の写真の通り2本のスリーブがハブを介して連結しており、スリーブ式ながらも2本のポールが互いに支え合うことを可能にしている。
エントリーユーザーには設営が難しそうと思われがちな構造だが、フックを一つ一つはめる必要がないので実際には迅速な設営が可能。さらにフライシート、インナーテント、グラウンドシートがあらかじめ結合された状態から一度に立ち上げることことが可能であり、雨天時の設営では大きなアドバンテージがある構造となっている。
2. スリーブハブガイポイント
AXシリーズはスリーブハブにはガイラインの締結ポイントを設けてある。 上の写真のようにポールを縛り上げるようにクロスさせてペグダウンすることで、2本のポールをフック式のスイベルで結合したかのように剛結させることが可能である。
スリーブハブガイラインはフライシート頂上に設けられた孔を通して外に出すことができる。AX-79は長辺側の投影面積が大きいため、長辺側からの風の影響を受けやすい。スリーブハブガイポイント※2 は変位の大きいテント頂上部から長辺側をペグダウンすることにより、テントの耐風性を高めるarataの独自の機構である。
(オプションのエマージェンシーガイラインキットを利用するとより便利です)
3. インナーガイライン
AXシリーズのインナーテントの短辺側の内側にはインナーガイロープを設置している。これはプレハブ工法の建物でよく見られる補強のためのブレースと同じ役割を果たし長辺側からの風によるテント変形を抑制する働きがある。
さらにAXシリーズはオプションのエマージェンシーガイラインキットを取り付けることで、内部空間を犠牲にしてテントの強度を高めることが可能。 特に天気の予測が困難な長距離の縦走時や、天候が変わりやすいポイントにテントを設営する場合には携行することをおすすめします。
荷室空間の拡張と耐風性を向上させる後室
AXシリーズは入口側の前室に加え背面に後室空間を備えている。この空間は荷室空間を形成するとともに背面からの耐風性を高めている。
1-2人用のX字のドーム型テントは投影面積の大きい長辺側からの風に弱い。片側出入口のテントは軽量化のために背面はインナーテントにピッタリとそう形状であることが通常だが、風を受け流しにくい構造となるため風に弱い方向が生まれる。
AXシリーズは過度に軽量さを追求することなく堅牢さと実用性を優先した構造としている。
地面とフライシートの距離
フライシートの下端の高さを上げるのは軽量化の常套手段だが、AXシリーズは雨風の強い荒天・降雪時の使用を意識していて可能な限り低く設定している。
雨を伴う強風時にフライシートをすくい上げるように雨を巻き込んだ風がテント内に侵入するリスクを低減している。 またAXシリーズはレインフライのまま降雪期も使用する事を想定している。AXシリーズは地面とフライの隙間を雪で埋めておくことにより、フライシート内への雪の侵入を抑制することができる。
透けにくいテントカラー
人気の山のテント場ともなれば手を伸ばせば隣のテントに届きそうなこともしばしば。最近のテントは生地が薄く、明るい色だと日中ですら中の人がうっすらと見えてしまうこともある。
AXシリーズはインナーテント・フライシートの両方を濃いグレーにしたことで、日中外から中の様子が見えることはなく、夜間のライト点灯時の人影の鮮明さも改善している。
濃いグレーにすることのデメリットは日中のテント内の温度上昇となるが、高温な季節はカラーによらず日中テント内で過ごすのは困難である。そのためAXシリーズはプライバシーの保護の方が優先したカラー設定とした。
Technical Spec
arata AX-79
Seasons : 4-season
Sleeping Capacity:1-person
Packed Size:24 × 17 × 11cm (L x W x H )
Minimum Trail Weight:915g
Equipment Weight Spec:1060g(Excluding GroundSheet)
Floor Dimensions:80 x 210cm (L x W )
Peak Height:98cm
Number of Doors:1 door(There is one other door for luggage.)
Pole Material:Aluminum DAC Featherlite NFL 8.7
Inner Fabric:10D breathable nylon
Floor Fabric:15D ripstop nylon silicone coated (PU1500)
Stake Material:DAC J-STAKE(8 Stakes included)
Rainfly Fabric:15D ripstop nylon with silicone coating (PU1200)
Contents: Tent body, Flysheet, Groundsheet, Stakes, Tent poles, and Special storage bag
Close-up detail
調理や荷物置きに優れた広い前室を完備しています
出入りしやすさに配慮した大型のドア(メッシュ切換可)
L字型ドアは片手でドアの開閉が容易であり、逆U字型と異なり全開にしなくても出入りが可能
入口反対側には後室へのアクセスが可能な小窓を備えます
テント内部から後室部へ気軽にアクセス可能
登山靴やアイゼン等々テント内にて収納しにくいものなどを置くことが出来ます
別売りの後室用グラウンドシートを使用することで荷物が直接地面に触れることなくより快適にご使用いただけます
煙突型メッシュ窓付ベンチレーション完備
ナイロンは完全密封されないため厳冬期等の積雪時での窒息のリスクを低減します
入口下方のメッシュ窓より冷たい空気を取り入れ温まった空気を上方より排出する設計としています
インナーテントとフライシート入口部は便利なダブルスライダー構造を採用しています
上部だけを開けて外の様子の確認することが可能です
上部にはベンチレーションロッド備えており換気性を向上することが可能です
開けた状態でも雨が侵入しにくくなるように設計されています
インナーテント内部短辺側下部左右にはメッシュポケットを二つ備えています
Option Parts
arata Emergency Guyline Kit
AXシリーズの強度をより高めるオプションアイテム。 エマージェンシーガイラインキットを上の画像の通り取り付けることで、内部空間を犠牲にしてテントの強度を高めることが可能となります。 特に天気の予測が困難な長距離の縦走時や天候が変わりやすいポイントにテントを設営する場合には携行することをおすすめします。
arata Ground Sheet for Back Room
AXシリーズのバックルーム(フライシートとテント本体の間)用のグラウンドシートです。 この製品を使用することでバックルームを使用した際に地面からの汚れを防ぎます。汚したくないものやギアを置く際には重宝するアイテムです。
※1 最小重量にガイロープ類は含まれません
※2同部専用のガイラインは付属しないためオプションのエマージェンシーガイラインキットをお買い求めいただくかご自身で適当な長さに切ったガイロープを取り付けてご使用ください
※ お使いのモニター設定、お部屋の照明等により実際の商品と色味が異なる場合がございます、予めご了承ください
※文中記載の平均的寸法についてはarata調べによるものです